雑木林の管理技術(1)

1.里山とは

「里山」という言葉にはノスタルジックな感じを受けるが、その言葉自体は古いものではない。一般的になったのはつい最近のことである。広辞苑では里山を「人里近くにあって人々の生活と結びついた山・森林」としているが、里山の厳格な定義はまだ出来ていないのが現状だ。「奥山」に対して生まれた言葉として「里山」が位置づけられているようだ。昔から薪や柴をとったり、炭を焼いたり、落ち葉をかいて肥料にしたり、枝や低木を刈って刈敷きにしたり、山菜を採ったりというように、様々な形で繰り返し繰り返し人間が利用してきた自然のことを、私達は里山林と呼んでいる。里山と雑木林とは同じ様な意味で使われていることもありますが、国木田独歩が『武蔵野』の中で描いた様な関東の雑木林であっても、関西のアカマツ林であっても、農村風景を構成する森林には変わりありません。こういった農村周辺の森林を総称して里山林と呼んでいます。里山林は農業用水を育んだり肥料を供給する形で農業と密接なつながりを持っています。ですから、里山林とそれに隣接する田んぼや畦、ため池、用水路、畦道、茅場、湿地、居山(屋敷林)、鎮守の森等も含めた景観こそが里山なのです。
  

 参考資料:「ぐりーんもあ200秋号」(社)国土緑化推進機構

      「自然はともだち 里山日記」 東京都環境保全局

 

                                       

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